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2021.5.1

荒尾市出身Agu選手、アジア制し世界大会へ

荒尾市出身のAgu選手(23)が選出されている日本サッカー協会(JFA)が管轄するサッカーe日本代表が、世界大会出場を懸け、5月1日に開かれたアジア・オセアニア予選(10チーム出場)を制しました。

(以降、熊本日日新聞朝刊紙面より抜粋)

Agu選手がeスポーツを始めたのは、中学生の時。部活動でサッカーをしていたが、「部活に縛られる生活に耐えられなかった」と2年生でやめた。だが、サッカーは好きで、帰宅後は連日深夜までインターネットで欧州リーグの試合を観戦。「戦術的な知識が増え、サッカーの本当の面白さに気付いた。蓄積した知識を生かしたい」と、eスポーツを始めたという。

高校卒業後は経営を学ぶ福岡市の専門学校に進み、東京でシステム系の会社に就職。1年間、営業職として働いたが、身近なeスポーツ仲間が世界を舞台に活躍する姿を見て、「今やらないと置いていかれる」と退職し、競技に専念した。

1日3~5時間の練習を重ね、フェイントを駆使して相手をかわすドリブルを最大の武器に公式戦で活躍。eスポーツ界で「ドリブルのAgu」と評されるまでになった。昨年からプロとして本格的に活動を開始。国際サッカー連盟(FIFA)のランキングに基づく日本人選手の上位3人で編成する日本代表に初めて選ばれ、そのまま2年連続で代表入りした。

「サッカーの実体験もあるし、一流の試合を数え切れないほど見ているので、感覚は誰よりもつかめている」

eスポーツに関しては身体運動を伴うスポーツと同列に扱うべきか議論もあるが、「老若男女、誰もが楽しめるのが魅力。競技として成立し、競い合うのがスポーツ」とAgu選手は気に留めない。JFA広報も「いろんなサッカーの楽しみ方の一つで今後、大きな柱になる」と期待を寄せる。

日本代表は、8月にデンマークで開かれる「FIFAe Nations Cup2021」に出場する予定。Agu選手は「国を背負うプレッシャーはものすごいが、それに打ち勝ちたい。eスポーツを日本で普及させる一番いい機会。プロアスリートとして、夢を与えられる存在になりたい」と力強く宣言した。(樋口琢郎)

◇メモ アジア・オセアニア予選で実施されたeスポーツのサッカーゲーム「FIFA」は、1チーム(11人)を選手1人で操作し、残る2人が助言する。1試合は前後半各6分で、アディショナルタイムもある。